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クラス便り 2018年 11月号 から

つくし〈1歳児〉 

201811つくし1朝夕は気温もすっかり冷えてきて秋の深まりを感じる今日この頃ですね。
大人も子どもも体調を崩さないように気をつけていきましょう。
 
201811つくし5クラスでは木製のキッチン台がきました。すると、火加減をしながら「おいしくおいしくなあれ」と料理作りをしたり、ごちそうを並べ、何人かが集まって「ハッピバースデートゥーユー」と手拍子をして歌い「○○ちゃんおめでとう」と拍手をして誕生会ごっこも楽しむようになっています。また、最近ではフェルトの果物やおにぎり、ジュースを並べて「いらっしゃい、いらっしゃい」「これ、下さい」とお店屋さんごっこのようにして遊ぶ姿もあります。買ったものを手提げに入れて運んでは食べたり飲んだりしています。会話も増えやりとりが楽しめるようになってきました。 201811つくし6
手先の遊びでは、積み木を使って重ねて乗り物に見たてたり、ホワイトボードに磁石パネルを貼って遊んでいます。貼ったものをイメージして「新幹線」「バス」と言う子もいます。

散歩では、ワニ公園に全員でいきました。行き帰りの手つなぎでお友達と繋ぎたがらない時もありますが、相手に合わせてゆっくり歩いたりリードしてくれる子もいます。ワニの滑り台やロープジャングルジムを楽しみに行く子ども達です。落ち葉を集めてパラパラっと降らしてみたり、カシャカシャと踏み鳴らして歩き、自然に触れながら秋を感じてい ます。

さくら〈2歳児〉

201811さくら1木々の葉っぱも色づき、朝夕は肌寒いくらいになりましたね。それでも日中は過ごしやすく、園庭や散歩等で戸外活動を楽しむには良い季節です。
先日は初めてお弁当を持って“遠足”に出かけてきました。行き先は普段の散歩でもよく行っている「近隣公園」でしたが、お弁当の入ったリュックを背負って出かけるというだけでいつもとは気分も違う子どもたちでした。登園時から「おべんとーもってきた!」「すいとーもってきたよ」「ミカンはいってるんだよ」「ブロッコリーたべるの!」と興奮気味に報告が続きました。「遠足行くからオモチャ片付けて~」と声を掛けるといつもより片付けも早く済み、牛乳を飲んで仕度をして出発! 201811さくら2201811さくら13
公園に到着するとまずはリュックを下ろしてグラウンドで遊ぶことにしたのですが、中にはリュックを置いたところに戻ってお弁当を開けようと(食べようと?!)したり、遊び始めてもすぐ「なんか、おなかすいたー」「おべんとーいつたべるの?」とお弁当が気になって仕方のない様子の子どもたちでした。そして待ちに待った『お弁当タイム』になると、嬉しそうにリュックを開ける子どもたち。自分でシートを出して敷き、靴を脱いで上がり(靴下も脱いでしまう子多数)、お弁当を出していました。「みてー!」と保育者や友だちに嬉しそうにお弁当を見せてくれてから、美味しくいただきました。お弁当は本当に嬉しかったようで、「またえんそくいきたい」「おべんとうまたもってきたい」という声がたくさん出ていました。朝早くからお弁当などの用意、ありがとうございました!

これから寒くなりますが、急に厚着にならずに調整しやすい衣服を用意してください。(半袖肌着、長袖Tシャツも引き出しに入れておいてください)ご家庭でも手洗い、うがいの習慣を付け、元気に過ごせるようにしましょう!

 

つき〈3,4,5歳児〉

 201811つきくみ肌寒さを感じる日も増えてきましたが、今年度は今のところ感染症がはやることもなく、みな元気に過ごせているようです。運動会に続いて、遠足も晴天に恵まれ、④⑤は多摩動物公園への遠足を、③はお弁当をもっておばけの森へ行くことができました。それぞれとても楽しかったようで、帰りの会では見てきた動物やおいしかったお弁当の中身などを教え合ったりしました。
 今週は⑤がさつまいものつるきりに行き、芋ほりをしやすいようにつるを切ってきました。(ちなみにつるは大きなリースにしました)11月には芋ほり、そして芋ふかしと楽しみな行事が続きます。
そんな大きな行事のひとつが22日に行う「お店屋さんごっこ」です。毎年、それぞれのクラスでどんなお店をしたいか話し合い、役割や必要なものを考えたり作ったりして、乳児クラスの子どもたちや職員を招待して「お店屋さん」としてやり取りを楽しみます。この活動の目的は、保育者が計画するのではなく、子どもたち自身が考え、話し合って進めていくことです。これまでの経験をもとに、教えたり教えられたり、協力して進めていく中で、時に上手くいかなかったり失敗も経験し、それも一緒に乗り越えて目標に向かって取り組んでいくことで異年齢としての関係を深めていくのです。今年も、そんなお店屋さんごっこの季節がやってきました。

はじめの話し合いでは…
 今年度は春から「動物園にしよう」と準備を始めたり、夏には「水族館もいいねえ」など話が出ていた子どもたち。運動会も終わり、そろそろ本格的に取り組み始めようと、「帰りの会」で話をし、それぞれ次の日までに考えて来てもらいました。そうして、「やりたいお店」をゆり⑤から順にみんなの前で発表していきました。「水族館がやりたいです」「お寿司屋さんがやりたいです」とやりたい店を発表していく中、④も大きな声で思いを伝え、③の番になりました。すると、1人目のしゅんくんが大きな声で「おばけやしきがやりたいです!」と言うと、続いて普段は自己紹介でドキドキしてしまうあずさちゃんも「アイスやさん!」と大好きなあやねちゃん④と同じお店がやりたいことをみんなに伝えます。ほのかちゃんやゆいちゃんも小さい声ながらしっかりと「おすしやさんがしたい」「おかしやさん!」とそれぞれと自分の意見を発表し、いつもはモジモジくんになってしまうりゅうせいくんも、保育者の心配をよそに名前が呼ばれると満面の笑みで席を立ち、ニコニコしながら前に出てくると「アイスやさん、でへへへ」と発表していました。き・ゆうたくんも「らいおんつくりたい!」とやりたいことを発表し、全員が自分の思いをみんなの前で話すことが出来たのでした。
 出されたお店は、春から盛り上がっていた「水族館」「動物園」「お花屋さん」に加え、昨年、一昨年に行なったものの中から「おすしやさん」「おかしやさん」「あいすやさん」「おばけ屋敷」が出されました。「お店は全部やりたい」という昨年と同様の進め方を望む声が多く聞かれましたが、この日は表をそのまま部屋に貼り、次回までに、これからどんなふうに進めていくかなど考えてくるようにしました。

ただ、心配だったのは今年度の⑤が4人しかいないこと。お店屋さん当日は前半チームと後半チームに分かれることを考えるとお店のリーダーは2人ずつしかいません。昨年のようにすべてを行うのは難しさもあるかと思い、話し合いの前に⑤に相談してみることにしました。すると、「やっぱり全部のお店がやりたい」という思いと共に、おかしやアイスは水族館で出せるし、お寿司も「水族館の魚を捕まえてお寿司にしていけばいい」というコラボ案まで考えていたのでした。改めて「お店屋さんごっこは子どもたち自信が考えて作り上げていくもの」であり、だからこそ多くの学びや関係の深まりがあるという事を再確認し、信頼して子どもたちに任せていくことにしました。

ぜんぶ水族館に入れちゃえばいいよ! 
2回目の話し合いでは、⑤が考えていた事も含めて、考えたことや新しい案などをみんなの前で発表してもらいました。
そうして話し合いを進める中で、今年度のつき組は「水族館」を行い、色々な所にお花を飾り、おかし・アイス・お寿司を食べられる場所を作り、おもちゃ屋さんも魚や亀のおもちゃを販売するお土産やさんとして作ることになったのでした。(オバケ屋敷だけは、部屋の全体を使うという事で、やりたかった子達が④③だったこともあって来年度以降へと持ち越しとなりました。オバケの魚を作ってもいいんじゃない、といった意見もあり今後の活動の様子を見ていきたいと思っています)
また、水族館はみんなで協力して作ることになり、本物と同じくらいの大きさのイルカを作り、イルカにのって遊べるコーナーや、同じく本物と同じくらい大きなサメの口を作り、中に入って写真を撮れるコーナー、「アリエルになりたい」という子たちの願いから、魚のようなズボンを履いて人魚になり、海をバックに写真が取れるコーナーを作ろうということになりました。「インスタ映え」を意識した現代っ子らしいコーナーの多いこと。さて、どこまで作れるのか…と思いつつも、考えただけでもワクワクしてきました。

まずはお店のイメージを共有しよう
 3回目の話し合いでは、決まったことを改めて大きな紙に書いてまとめ、それを見ながら自分のやりたいお店に分かれました。そうして、それぞれ必要なものや作るものの設計図を描くことにしました。
 お寿司屋さんは、Sくん⑤、Uくん⑤、Yくん④、D④です。⑤の2人がリードしながら、はじめはお互いの絵に対していろいろ言いながらも、少しずつ描き進めていきながら、最後はあさりの味噌汁やお箸まで描いていました。
 おかしやさんは、Yちゃん④が、お寿司屋さん希望だったUちゃん④とどうしても一緒にやりたくて誘い、2人で仲良くキャンディー、あめ、クッキー、野菜クッキーを描いていました。名前は「w(ダブル)Uなってかいてね!」とのこだわりも(笑)
 アイス屋さんはUちゃん④、Aちゃん④、Rくん③、Zちゃん③、Iちゃん③、き・Uくん③です。まだ④の2人が引っ張っていくのはむつかしかったようですが、「どんなアイスにする?」と聞くと、みんなそれぞれ食べたいアイスの絵を設計図に描いていました。
 受け付けやレジ、えさやりなどは「水族館の係」としてまとめて行なう事となりました。話しながら進めますが、必要なものをイメージするのが難しかったようです。そこで、「じゃあ、係の人は何がしたいの?」と聞くと「エサやりたい!」「チケットあげたい」というので、「それなら何が必要かな?」と聞くと、「あ、エサだ!」「チケット!」「あとさかなも」「おおきなこえもひつよう」など声があがり始め、字と絵で描いていました。
そうして、設計図を壁に貼り、それを見ながら次回はいよいよ作業に取り掛かることとなったのです。(ちなみにお土産屋さんはく・Yくんがやめたために誰もいなくなってしまい、作業がすべて終わってまだ時間があるチームが作ることとなったのでした。)

それぞれのお店に分かれて作業開始
それぞれのお店に分かれ、必要な材料をそろえて作業を開始します。
お寿司屋さんは昨年の作業を⑤の2人が覚えていて、新聞を丸めて成型したものに、小さく切った白い紙(半紙をはり、シャリを作っていきます。前回休んでいたHちゃんもお寿司屋さんに加わると、Sくんが作り方を付きっ切りで教えていて、紙を切るときなんて、全員がかりで紙を持ってあげていたのでした。
おかしやさんはWYちゃんが仲良く進めていきます。絵を描いたこともあってか、クッキーもキャンディーも色画用紙に描いて切っていきます。そこで、昨年度も行ったどんぐりアメを提案すると、「それもつくる~!」とお花紙を適当な大きさに切って、ドングリを包んでねじっていきます。2回目の作業の際には、はさみを出してきて何やらドングリを切っているので、「何してるの?」と聞くと「トゲきってるの~」と、どうやら小さい子たちに刺さるのを心配して、ドングリの先の部分を1つひとつていねいに切ってあげていたのでした。
アイスやさんは昨年の作り方をもとに、トイレットペーパーの芯を切って成形したものに折り紙を貼ってコーンにし、丸めた紙をお花紙で包んだアイスを乗せていきます。二回目にもなると、③も作業を覚えてきたようで、チーム一丸となって…というよりは、それぞれマイペースで作っている様子でした。
水族館の係は、まずエサになる小魚を作るということで、それぞれ好きな色画用紙に魚の絵を描いてははさみで切っていったのでした。大きいものから小さいものでは1㎝ほどの、まさに小魚まで作っていました。そうして徐々にレジやパソコンなども作り始めていきました。
一方、水族館は初めに決めた通りみんなで作っていきます。まずは「本物と同じくらいの大きさで乗って遊べるイルカ」から作り始めました。
大量に集めた牛乳パックの注ぎ口部分を折りたたみ、ガムテープで貼って直方体にしていく作業から始めます。下準備は⑤と④の数人で始めたのですが、園庭で遊んでいた子たちも「なにやってるの?」「てつだう!」「やりた~い」と次々に参加し、結局そのまま全員での作業開始となりました。ガムテープの切り方や止め方を覚えた子が、次の子へとやり方を説明して行きます。途中、Kくん③の「じみちなさぎょうだね」という大人びたコメントに大笑いしながらも次々に作っていくと、それをAちゃん⑤が図鑑を見ながらイルカの形に並べていきます。一段目が出来たら二段目、三段目くらいからは数を減らしているかの曲線を表現していきます。そうして、新聞紙で形を微調整したら、小さく切った新聞紙にのりをつけて回りに貼っていきます。その後は同じく切った白い紙を貼っていき、色を付けていくのですが、こうした時にみこしづくりで培った経験が力を発揮していきます。
そうして作業を進める中、Yくんは牛乳パックで電車づくりを始めました。指摘され少々小競り合いをしていましたが、それを見たAちゃんは一味違います。「もう!ほんと、Uくんは、かわいいんだから!」とのコメント、半分注意を込めつつも、半分はそんな自由な③の姿も受け入れて大目に見てあげられる空気が漂っているのです。
それはUくんに限ったことではなく、早々に水族館の係からお寿司屋さんへと変更したSくんに対しても、誰も咎めません。だって、自分たちだって③の時にはそうして自由に参加させてもらってきたのですから。それが心地よかったのですから。
それぞれの役割をもって、それぞれの経験をもとに取り組むお店屋さんごっこ。その中では、同じ行事に違った立場で三回経験する事ができる異年齢保育だからこそ、経験でき、味わえる感情があります。今年度もそうした経験を大切に、これからの活動に取り組んでいきたいと考えています。